hazelnutcoffee’s diary

妊娠、出産、子育てで感じたこと、発見したことを綴っていきます。

つわり地獄との戦い

 

百聞は一見に如かず。人は一度経験してみないとわからないものである。

 

よくドラマなんかで、突然の吐き気を感じ流し台にかけこむ姿が、妊娠に初めて気づくシーンとしてよく使われ、長いつわりで苦しむような妊婦は登場することはない。だから、結婚する前までは、妊娠したら軽い吐きづわりがあって、そのあとは街中で見かけるような妊婦に自分もなれるのだろうと漠然と思っていた。しかし、妊娠出産とは、ドラマで描かれるようなものとはかけ離れている。もし、自分が妊娠に気づかないであのつわりが始まったとしたら、自分は明日明後日でも死ぬような病気にでもなったのではないかと疑って病院に行ったはずだ。

 

妊娠して出産にまでたどりつくまでには、みんな人に言わないだけでそれぞれ苦労がある。そして子育てが始まると、辛かったつわりも陣痛の痛みも跡形もなく忘れてしまうのであるから、人間とはよくできたものである。

 

子供が欲しいと望んでから、なかなか子供が授からず、毎月決まってくる月経に今回もだめだったか...と何度落ち込んだだろう。月経が遅れることがあると、嬉しくて旦那に「妊娠したかもしれない!」と期待させ、そして落胆させた。ある時、月経が3週間ほど遅れ、念願の妊娠が分かったが、しばらくすると未知のつわり地獄が始まった。つわりがこんなにつらいものだとは、今まで誰が教えてくれただろう。

 

私の母は三人子供を産んだが、つわりがなかったらしい。仕事を続けている人は、仕事に対する責任感と緊張感からかつわりが軽い人もいるらしいが、私は仕事を辞めていたため、毎日つわりと直面する日々が続いた。

 

つわりとは、人によっていろいろ違うものだが、私の場合、妊娠8週目あたりから身体のだるさと熱っぽさがはじまり、毎日風邪をひいて高熱を出しているかのように身体が重く、思うように動けない日々が始まった。吐き気がするので今までのように思うように食べられず、かろうじて食べている間は、吐き気が収まるものの食べた後はお腹が張って気持ち悪くなり、食後に吐くことが多かった。

 

今日は、食べれたものでも、次の日には食べられなくなったり、偏食もかなり激しくなった。そして夜は気持ち悪さから寝付けず、スイカやイチゴをかじって気分を紛らわした。さらに、匂いに突然と敏感になり、香水や芳香剤などの匂いを嗅ぐと吐き気が起こるようになった。今まで使っていたシャンプー、食器用洗剤、衣類用の洗剤が使えなくなり、匂いがあまりないものに変えざる負えなかった。一歩外にでればさまざまな匂いであふれているため、マスクをして外出しなければならなかった。

 

このような私の変化は旦那には、かなりワガママなようにうつっていたようである。つわりが激しく続いている間「ワガママ言うな!」と何度怒られただろう。つわりとは、経験したその本人しか分からない。この苦しさをどう言葉で表現したとしても、人には分かってもらえないことを私は痛感した。

 

そして妊娠して4か月くらいするとだいぶつわりも落ち着いたが、においつわりだけは、出産まで続いた。また、今まで頭痛など経験したことがなかったのに雨が降ったりすると激しい頭痛がするようになり、これも厄介であった。

 

つわりがひどいときは、立っているとふらふらとめまいがするので、バスや電車を利用する度に、「お願いだから座らしてくれえ…」と神にもすがるようなような気持ちになった。しかし、席を譲ってくださいなどど言えず、つり革につかまってひたすら我慢するしかなかった。